日本IBMの中堅市場戦略

<連載・日本IBMの中堅市場戦略>第8回 ユーザー事例 北薩病院(上)

2011/09/29 20:29

週刊BCN 2011年09月26日vol.1400掲載

 鹿児島県の県立病院局は、2011年度中に県内五つの県立病院に電子カルテシステムの導入を進めており、県立北薩病院では、今年5月にそのシステムを稼働させた。北薩病院の高橋浩一院長に、「今や電子カルテシステムがなければ仕事にならない」と言わしめるほど、大きな導入効果を上げている。そのシステム構築を手がけたのが、日本IBMの地場パートナーだった。

県立病院の電子カルテを構築

北薩病院
高橋浩一院長
 北薩病院は病床数が150床で、スタッフは約160人の中規模病院。医事会計システムなど、病院の業務で必要な情報システムはひと通り揃っており、情報共有基盤としてグループウェアも活用している。保有するパソコンは約200台。エアコンを完備し、セキュリティ対策も万全なサーバールームも院内にある。これらの情報システムやコンピュータの運用については、経営課という部門が他の業務と兼務しながら支えている。

 県立病院局は、県立病院の医療の質・安全性の向上や患者の待ち時間短縮等を図り、院内の情報共有を活発にするために、県立5病院に電子カルテシステムを順次導入することを決めた。その最初の病院が北薩病院である。

 県立病院局は、5病院の要望を聞いたうえで電子カルテの仕様を決定し、企画提案コンペを実施してシステムを開発するITベンダーを選考した。そして二次選考に残った一つが、日本IBMのビジネスパートナーである鹿児島県に本店を構えるSIer、ソフトマックスだった。操作の容易性、堅固なセキュリティ対策や経済性等について総合的に検討した結果、ソフトマックスの提案を採用することに決定した。ソフトマックスは、主に西日本を営業地域とし、とくに九州地域に強く、医療機関向けシステムの構築を得意としているが、複数の公立病院からの一括受注は初めてだった。自社開発の電子カルテパッケージソフトを用いたシステムの本稼働が始まった。(つづく)(木村剛士)

電子カルテシステムを導入した北薩病院

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