関西のITベンダーの「今」そして「これから」
<関西のITベンダーの「今」そして「これから」>第2回 メーカー系ITベンダーの動き(前編) 関西で培ったノウハウを世界へ ユーザー企業の海外進出に対応
2011/09/29 20:29
週刊BCN 2011年09月26日vol.1400掲載
NEC関西支社 佐藤洋一支社長 |
富士通関西システムズ 白山健一社長 |
関西地区の製造業は、円高によってビジネスの収益性が縮小しつつあり、生産コストの削減や新規市場の開拓を目指して、アジアを中心とする海外進出を加速している。関西のITベンダーは、ユーザー企業の急速な海外流出を受けて、彼らを追いかけるべく、駆け足でグローバル展開の強化に取り組んでいる。年商304億円(2011年3月期)の富士通関西システムズは、関西出身の日系企業を相手にしたグローバル事業が、現時点で売上高の約2%を占めている。同社の白山健一社長は、「製造業のお客様の大半が中国や東南アジアに進出している。グローバルビジネスの売上構成比を早期に2ケタ水準に引き上げていきたい」としており、海外展開に拍車をかける。
関西のユーザー企業は、今、海外ビジネスの目的が大きく変容している。かつて、製品開発関連の人件費の圧縮が海外進出の主な目的だったが、ここ数年は、現地での部品調達や地場ユーザーに向けた事業展開に取り組む企業が増えている。富士通関西システムズは、「進出企業のなかには、まだ大がかりなITシステムを導入していないところが多く、部品調達や生産管理、販売管理を支える情報システムに関しての需要が高まっている」(白山社長)という見方だ。同社は今後、富士通グループがアジア各地でもつ拠点との連携を強化し、「中堅の製造業向け生産管理システムなど、関西で培ってきたノウハウを活用して、関西のソリューションを世界で展開していく」と意気込みを示す。
前出のNEC関西支社は、海外事業の強化を成長戦略の一つの柱としている。佐藤支社長は、「これから、NECの海外法人を通じて、SI事業をどんどん中国やアジアへ広げていく」構えだ。(ゼンフ ミシャ)
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