IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!
<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>33.ベルニクス(上) 自社開発システムを外販
2011/06/23 16:04
週刊BCN 2011年06月20日vol.1387掲載
約90人の社員を有するベルニクスは、医療機器用電源や船舶機器用電源、航空・宇宙電子機器用電源など、あらゆる業種に向けた電源を製造し、代理店を介して販売している。およそ10年前から、営業活動の効率化などを目指して、ITシステムの自社開発に取り組んできた。今春、そのシステムを社外向けにも展開するベルニクスの事業計画が、優秀なビジネスアイデアを表彰する「さいたま市ニュービジネス大賞優秀賞」を受賞したのをきっかけとして、常務取締役の鈴木健一郎氏は、本格的な販売に乗り出すことを決断した。
鈴木常務は、「当社はもともと、大手ベンダーのITシステムの導入費用が高額なので、システムの自社開発を決めた」と語る。最初は、パソコンの画面で営業マン同士が互いの行動を把握することができたり、部品の在庫状況が簡単に分かるシステムをつくり、さらには案件獲得の拡大を狙って、営業案件の進捗状況を管理するシステムをつくった。システムの自社開発に注力しながら、社内でのさまざまな“成功事例”をつくり出したわけだ。
鈴木常務は「当社はシステムを導入したことによって、この10年間で売り上げが倍増し、納期トラブルはほとんど起こらない状態を実現することできた」と自信をみせる。今後は、自社での成功を踏まえ、ITシステムに関してベルニクスと同じようなニーズを抱える部品メーカーや部品商社などにシステムを展開していく考えだ。「当社のシステムは現場から生まれたものなので、中小企業にとっても導入しやすいよう、値段を抑えている」(鈴木常務)とアピールする。
システムを本格的に販売していくにあたっては、経営とITの両方の知識をもつITCによる支援が欠かせない。ベルニクスのシステムを「非常に面白い」と評価する渡邉ITCは、今後の販売展開を「お手伝いすることができる」としている。(つづく)(ゼンフ ミシャ)
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