次世代IBM製品の「革新」 IBMサーバー戦略を追う
<次世代IBM製品の「革新」 IBMサーバー戦略を追う>05 IBMの世界戦略 ビジネス・アナリティクスを起点にクラウド推進
2011/05/19 20:29
週刊BCN 2011年05月16日vol.1382掲載
世界のパートナーの前で次世代戦略を語る米IBMのパルミサーノ会長 |
地域的には、パルミサーノ会長が「メジャーマーケット」と呼ぶ欧米・日本に加えて、「中国など、成長率が年率25%以上に達し、世界成長戦略のなかで地域的な位置づけも変わってくる」と、成長著しい新興国での事業を積極的に拡大する方針だ。
この数年間で、サーバー、ストレージ、パソコンなどを中核としたクライアント/サーバー(C/S)型のシステムはコモディティ(日用品)化が進み、顧客に付加価値を訴求できにくくなった。パルミサーノ会長は、「『Smarter Planet』へ戦略的に移行する決断は、パソコン事業をレノボに譲渡する以上に意思決定が難しかった」ことを明かし、ITインフラの販売に頼らず、クラウドとC/Sなどのサービスを組み合わせ提供することへ重きを置くという「劇的なシフトができた」(同)と、自己評価した。
この講演中にパルミサーノ会長が頻繁に口にした言葉で、PWLCでメインテーマになっていたのが「ビジネス・アナリティクス(データを活用して未来を予測し、ビジネスを最適化させる仕組み)」である。IBMの調査によれば、多くの経営者が高度なビジネス・プロセス・マネジメントを含む新しい分析機能を必要とすると感じ、これによりビジネスの優位性を確立できると考えているという。
パルミサーノ会長は「今後15~20年の間に、企業内のデータ活用の方法が大きく変わる。企業内にある膨大なデータを整備し、将来必要なリアルタイムな意思決定に役立てることが、競争優位に立つうえで重要になる」と、同社製品の特性を生かしたビジネス・アナリティクス関連のビジネスを拡大させる考えを表明した。
こうした同社の次世代戦略を確立するうえで、パートナーの技術・ノウハウのスキルが重要になる。パートナーに対しては、ビジネス・アナリティクスやクラウドなどをサービス化して売る手法を身に付けてるための投資を積極化する。(おわり)(谷畑良胤)
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