IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>26. ヴィジョンリンクス(上) 少ない投資で業務を効率化

2011/04/28 16:04

週刊BCN 2011年04月25日vol.1380掲載

 ヴィジョンリンクスは、さまざまな業態の小売店舗に対して、店員の接客力向上プログラムを提供するコンサルタント会社である。大手デパートなどのクライアントから調査の依頼を受けて、各店舗に調査員を送り込み、店員の接客態度や再来店を促すようなコミュニケーションを図っているかどうかなどを調査する。また、各調査員からの報告を受けてデータを分析し、クライアントにレポートする、という流れになっている。

 ITコーディネータ(ITC)の渡邊豪氏(ワタナベ・システムデザイン事務所代表)は、5年ほど前にヴィジョンリンクスからの依頼で、調査員から送られてくる報告書を効率よくまとめることができるシステムの設計・開発を担当している。システムについて渡邊ITCは、「『なるべくコストをかけたくない』という要望があったので、メールのOutlook VBAとExcel VBAを活用した構成にした」と語る。これによって、設計の費用が少額で済むだけでなく、調査員がOutlookとExcelの基本知識だけでシステムを使うことができるので、調査員のIT教育にコストをかける必要がなくなった。

 システムの設計に取りかかった段階で、渡邊ITCは「業務の流れについて話を聞いて、運用をイメージしたが、実際に運用を始めると、業務の流れもヴィジョンリンクスと手探りで構築してきたので、いろいろ調整する必要があって、ワークフローを把握するまでに多少時間がかかった」と振り返る。現在も、クライアントの要望の変化に応じて業務の流れも変化するので、システムの微調整に関して、ヴィジョンリンクスから頻繁に相談がくるという。ヴィジョンリンクスのビジネスは、調査期間と調査依頼会社への報告書作成期間が定まっており、「とくに、期間区切りの直前に相談の電話がかかってくることが多い」(渡邊ITC)そうだ。

 渡邊ITCは、クライアントとの直接のコミュニケーションを重視して、年に一回、システムを改善できる部分を考える“反省会”を開いている。(つづく)(ゼンフ ミシャ)

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