IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>24.サマデイ(早稲田塾)(中) システムの拡張を継続する

2011/04/14 16:04

週刊BCN 2011年04月11日vol.1378掲載

 大学受験予備校である早稲田塾を運営するサマデイ(相川秀希社長)では、2004年当時は富士通のオフコンが稼働していた。しかし、ハードウェアの保守期限切れや事業の拡大などに伴い、システムの刷新を迫られることとなった。

 新基幹システムのRFP(提案依頼書)を提出した3社のうち、再構築を担当することになったのがニッセイコムだった。同社は、オフコン時代から中堅・中小企業向けのカスタムソフトを開発しており、教育機関向けのソリューションに強い日立製作所系のSIerである。山田一彦・ITコーディネータ(ITC)は「価格面と、提示してきたアーキテクチャが現実的だった」と選定の理由を語る。 システムはVisual Basicで開発し、MetaFrameを適用している。外部設計のフェーズでシステム規模が膨らんだが、「ニッセイコムは納期を守ったし、段階導入などの工夫を凝らしていた」(山田ITC)。

 システム開発に従事したニッセイコムの守屋達則・第一システム技術本部システム第二部第一課課長は「サマデイは常にシステムを拡張し続けている。納期が短くて正直驚くこともあるが、そのつど対応してきた」という。

 新基幹システムは、2005年度に稼働を開始した。まずは、業務の中核である受講登録と塾生管理の運用を開始し、2008年度までに請求業務や給与、講師料、テストなどの各機能を順次リリースした。

 2007年度、公式ウェブサイトの刷新に乗り出した。ビジュアル表現を強化したほか、ブログ機能を追加したり基幹システムとの自動連携を強化したりした。例えば、各種イベント情報を基幹システムにマスター登録して、公式ウェブサイトで広報活動にあたるといった具合だ。

 2010年4月には、塾生向けのコミュニケーションシステム「マイページ」が稼働を開始。新基幹システムと同様に、ニッセイコムがシステム構築を手がけた。ICカードを利用することで入退館と出欠席の情報を記録し、自宅で確認できるようになった。休校の場合は、携帯電話などへのメール配信で連絡することになった。

 塾生と保護者向けのポータルの位置づけで、継続的に機能を追加していく方針だ。(つづく)(信澤健太)

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