IBMパートナーが興すビジネスイノベーション
<IBMパートナーが興すビジネスイノベーション>第7回 キヤノンITソリューションズ
2011/03/31 20:29
週刊BCN 2011年03月28日vol.1376掲載
巨大なSaaS基盤にIBMソフト群を利用
和田昌佳 取締役執行役員 |
同基盤は、キヤノンITSが中心となって構築したが、このなかでPaaSの重要な基幹モジュールとしてIBMのソフトウェアが使われた。同社の和田昌佳・取締役執行役員クラウドビジネスセンター長は、「認証や課金、アクセス制御、ユーザーID管理などの部分で、TivoliやWebSphereの両製品を活用した。オープンでスタンダードな規格に対応し、パブリッククラウドなど外部接続性にも優れていたことで選んだ」と語り、グループ全体で使うSaaS基盤構想に最も適したソフトだったと評価している。
活用したIBM製品は、「Tivoli Access Manager」や「Tivoli Provisioning Manager」「WebSphere Enterprise Service Bus」などで、PaaS基盤のSOA(サービス指向アーキテクチャ)環境を構築した。
同社の佐々木勝吉・クラウドビジネスセンターテクニカルサポート部長は、「当社の幅広いサービスと顧客のクラウドや既存システム環境と幅広く連携する仕組みをつくりたかった。IBM製品は、それに応えられる仕組みをもっていた」という。そして、現在進行形で、パブリッククラウドサービスなどとの連携を行う開発をしていることを明かす。
SaaS基盤の構築では、IBMソフトウェアのグローバル支援部隊が、開発に膝詰めで対応。「当社のSaaS基盤のように、これだけ大規模な開発例は日本国内にはなく、IBM社の支援は助かった」(和田取締役)と感謝している。強力な支援体制が整っていたので、短期間で基盤構築ができたと評価したうえで、「IBMの将来的なクラウドのロードマップが知りたい」(同)と、すでに米国で使われている次世代技術を念頭に次の展開を練っている。(谷畑良胤)
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