IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>21.木のおもちゃ トナカイ(上) サイトパワーを向上

2011/03/24 16:04

週刊BCN 2011年03月21日vol.1375掲載

 川崎市の梶が谷に店舗を構える輸入玩具店「木のおもちゃ トナカイ」は、小さな楽器やコマ、カードゲームなど、木や紙でできた知育玩具を取り扱っている。保育園の元園長で玩具に関して豊富な知識をもつ林信克店長は、2006年、販売の拡大を目指して、リアル店舗を立ち上げる前に、インターネットを介して注文ができるネットショップの開設を決断した。

 ネットショップの開設にあたり、林店長をITコーディネータ(ITC)として支援したのは、経営コンサルティングを提供するコンサラート代表の岩岡博徳氏である。岩岡氏は、神奈川県内の中小企業支援団体のアドバイザーを務めており、財団での活動を通じて、数年前に林店長と知り合った。

 岩岡ITCは、「林店長から『ITは得意ではないが、ネットショップを開設したいので相談したい。なるべくコストをかけたくない』との要望があった」と経緯を語る。要望を受けて、岩岡ITCはネットショップ開業サービス「おちゃのこネット」の月額500円コースを提案し、「写真の撮り方や商品説明文の書き方など、ネットショップのポイントを基本から助言した」という。

 しかし、コストを最小限にとどめたため、サイトを開設した最初の1年間は、ユーザーからほとんど反応がなく、「注文は皆無だった」(岩岡ITC)と苦笑する。 こうした状況を打開するために、岩岡ITCと林店長は、ネットショップのサイトパワーを向上させようと、検索エンジン最適化(SEO)の強化に踏み切った。サイトをヤフーなどの検索エンジンで上位に引き上げるため、検索に引っかかりやすいキーワードを文書に入れるなど、さまざまな工夫をした。今は、ヤフーで「おもちゃ」と「川崎」を入れれば、2番目に出るなど、SEO対策の効果が現れている。

 岩岡氏は、「ITCの観点から、ネットショップを改善できる部分はまだまだたくさんある」として、今後も林店長を支援しつづけていく考えだ。例えば、玩具の使い方をデモンストレーションする動画をサイトに掲載したり、一般ユーザーを対象としたワークショップを開催し、サイトで告知したりなど、知恵を絞ってネットショップを進化させていく。(つづく)(ゼンフ ミシャ)

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外部リンク

「木のおもちゃ トナカイ」=http://tonakaitoy.ocnk.net/