IBMパートナーが興すビジネスイノベーション

<IBMパートナーが興すビジネスイノベーション>第3回 エム・ピー・テクノロジーズ

2011/03/03 20:29

週刊BCN 2011年02月28日vol.1372掲載

 日本IBMが2月8日に開催した「IBMエクセレント・パートナー・アワード Japan 2010」で、同社と連携して大手金融機関などに「デスクトップ・クラウド・サービス」を提供した実績が評価され、シンクライアント総合ソリューションベンダーのエム・ピー・テクノロジーズ(MPT)が、アワードを受賞した。この1年間だけで、大規模案件を複数獲得。セキュリティ意識の高まりとともに、全体の販売実績を急激に伸ばしているベンダーである。

デスクトップ・クラウドの先駆者

佐藤直浩 社長
 MPTは、2009年2月設立の新興ベンダーだ。ここ数年、需要が増大しているDesktop as a Service(DaaS)市場では、トップベンダーとして活躍している。日本IBMは、IBM独自の事前アセスメントから最適ソリューションの提供、デスクトップのクラウド環境における導入から廃棄までの全般を「デスクトップ・クラウド・サービス」と定義し、先行する競合他社の追撃に力を入れている。MPTは、デスクトップ・クラウド・サービスを展開するお客様に技術とソリューションを提供するパイオニア的な存在となっている。

 受賞理由となった案件は、日本IBMが元請けとなった大手銀行のシステム導入だ。MPTは自らが代理店を務めるシンクライアントメーカー・Wyse Technologyの端末導入と、デスクトップ仮想化設計を支援し、日本IBMのプロジェクト遂行に貢献した。

 MPTの佐藤直浩社長は「IBM製のブレードサーバーをバックヤードにしたシステムで、セキュリティの確保に加え、拡張性の高さ、省エネルギーであることなどが、顧客にも受け入れられた」と、一般的なシステムインテグレータ(SIer)にはできない専業ベンダーだからこそ、顧客の要求に応えられたと自信をみせる。

 MPTと日本IBMの取引関係は、最近になって深まった。それまでは「サーバーを調達する程度だった」と佐藤社長。ただ、MPTでも「端末だけのビジネスではなく、サーバーやストレージなどのインテグレーションを含めたトータルな展開ができないと生き残れない」と判断。デスクトップ・クラウド・サービスを強化している日本IBMとのアライアンス関係を深めた。

 佐藤社長は「当社は、DaaSの設計・構築・運用までを担うことができる。今後、官公庁・自治体の案件が増えてくると予測している」と、こうした領域の案件獲得に強いパートナーとの連携強化を模索中だ。その前提に立って、日本IBMのパートナー制度に属するベンダーとの連携が欠かせないと判断している。(谷畑良胤)

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