IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>15.東京真珠(上) 良質な商品を安価で提供

2011/02/10 16:04

週刊BCN 2011年02月07日vol.1369掲載

 あこや真珠や南洋真珠、ダイヤモンドの卸販売、ジュエリーの製造・卸販売などをビジネスとする東京真珠(小山藤太社長)は、創業50年以上の歴史をもつ老舗だ。「お客様が信頼できる良質な商品を、他社より安く提供する」ことを理念に掲げている。

 卸販売を主力とするが、小売販売も行う。東京・銀座6丁目に構える社屋の1階にショールームを設けて、真珠やダイヤモンドを使ったジュエリーを小売りしている。この不況下にもかかわらず、顧客の数は安定しているという。

 同社は今後の事業拡大をにらみ、2年ほど前から、社内データベース(DB)の不備を何とか改善したいと考えてきた。また、老朽化しているハードウェアのリプレースも喫緊の課題だった。

 管理本部長を務める峰岸明治氏は、「ハードウェアの老朽化はもちろんだが、データベースが不備なために、経営や営業活動に必要な情報をタイムリーに手に入れられないことは致命的だった」と、既存システムの弱点について語る。

 峰岸本部長は、販売戦略や事業計画を策定するにあたって、信頼のおけるデータベースが必要不可欠と判断した。データベースの改善を目指して、社内システムの再構築に踏み切り、ITコーディネータ(ITC)の加藤徹郎氏の力を借りることを決めた。

 2009年の初頭から、加藤氏の指導のもとで、システム再構築に取り組んでいる。ユーザーインターフェースだけはほとんど現状のままにして、分析やロジックなど、システムの根本的な部分は全部つくり直す――。

 峰岸本部長は、「当社のデータベースは、一つひとつ形態の違う商品や事業が複雑に絡んでいて、複数の要素を統合する必要がある。だから、今取り組んでいる再構築作業で、いろいろな難問に直面している」と、状況を打ち明ける。

 今回の社内システムの再構築は、完成までのスパンが長いだけでなく、大型投資をも伴う。峰岸本部長は、「大型投資だからとかではなく、やるからには中途半端なことはしたくない。悪いところは全部修正する」と断言する。100%信頼のおけるデータベースをつくることを目指し、時間は惜しまない姿勢をみせている。(つづく)(ゼンフ ミシャ)

東京真珠の本社社屋。1階は宝飾店として営業している
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