IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>14.大和(下) 「非常に特殊な事例」をこなす

2011/02/03 16:04

週刊BCN 2011年01月31日vol.1368掲載

 カタログギフトの流通はいくつかの段階を踏む。まず、贈り主が注文したカタログを贈り先に発送。贈り先の人が希望商品を記入した葉書の返送を待って、商品を届ける。大和(荒井博社長)の本社は、その事業専用の物流センターやコールセンターなどを備え、商品の流通を支えている。

 物流センターがある本社には情報システム部門の人員が配置され、「物流機能がしっかりしている」(ITコーディネータ=ITCの天川龍介氏)。今回のプロジェクトの推進にあたった東京支店は、営業と仕入れを担当しており、受注から発送を担当する本社との間で課題や方針のすり合わせを行った。

 香典返し専門サイト「おこころざし.com」は、「ニーズの発生源が葬儀であり、非常に特殊な事例」(天川ITC)だ。市場は急激に拡大することも縮小することもないが、頻繁に利用されるサービスではない。「きちんとした返礼をする」(木村教之・東京支店第3営業部部長)という前提条件も踏まえながら「おこころざし.com」の構築に取り組む必要があった。

 開発の大原則は直帰率を下げることで、そのためにデザインを重要視。「きれい」「厳か」「凛としている」の三つをキーワードに掲げ、お客様として55歳の女性を想定し、つくり込んでいった。なお、「おこころざし.com」構築用プログラムは、日本発のオープンソース「EC-CUBE」を活用した。

 特徴ある機能とサービスなどで、他社との差異化を図っている。品揃えは2000円台から10万円台まで用意。香典返しのマナーや具体的なケーススタディなどを紹介しており、不慣れなユーザーでも心配ない。のし、挨拶状はウェブで作成・確認できる。手書きの香典帳やExcel入力データは、ウェブ上の香典帳に無料で登録。ウェブ上の香典帳は、送付先ごとに商品を注文することができる。

 「おこころざし.com」は、昨年11月15日の開設と、まだスタートしたばかり。年間の売り上げ目標は1億円だ。イーノウハウの明瀬隆郎CEOは「売りが立つようにこれからどうするか。PDCAをきちんと回していくことが重要。コンサルティングはこれからが本番」と腕をぶす。(信澤健太)

「おこころざし.com」のホームページ。不慣れなユーザーでも利用しやすいつくりとなっている
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外部リンク

「おこころざし.com」=https://www.okokorozashi.com/