視点
クラウドは「サービス創造」の視点で臨め
2011/01/27 16:41
週刊BCN 2011年01月24日vol.1367掲載
一方、昨今のわが国情報産業市場に目を向けると、そこにみえるのは、従来の物理サーバーのレンタル事業を仮想サーバーのレンタル事業へと置き換えただけのIaaS、パッケージソフトウェアを単純にオンデマンド配信可能にしただけのSaaS、そして、クラウドコンピューティングが普及するにつれて従来の情報技術製品の売り上げが逓減し、その商流が崩壊することを危惧する情報産業関係者の姿である。しかし、クラウドコンピューティングの本質は、単にハードウェアやソフトウェア機能をオンデマンドで廉価に提供することにとどまらず、組織的、地理的障壁を越えて、人々が協調的に、そして効率的に働くことができる環境を提供することにある。そこに、ワークフローを、ビジネスプロセスを、そしてマネジメントを大きく変える基盤として、クラウドコンピューティングを育てるという商機を見出すことができる。
クラウドコンピューティングがこれまでの情報産業の技術体系やビジネスの仕組みを大きく変えるものであるとの認識を真摯に受け止め、情報技術製品の製造販売に偏っていたこれまでの情報産業体系を自ら見直し、情報技術の利活用を促進するためのサービスの創造に重心を移して、来るべき時代のニーズに合った情報産業体系を再構築することが私たちに求められている。
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