成長

吉野隆 社長

　売上高の伸びは鈍化したままだが、事業の方向性は間違っていないと確信している。これからも重点分野に投資していく考えだ。中期経営計画では四つの重点分野を掲げており、なかでもネットビジネスとヘルスケアに注力していく。

　ネットビジネスは進歩が速い。次々と新しいビジネスが立ち上がってくる領域でもあるため、かなりの数のプロジェクトを動かしている。かたやヘルスケアについては、二つのプロジェクトを展開中だ。一つは、大阪のベンチャー企業と共同開発した製薬会社向けの営業支援システムで、すでにお披露目済み。もう少し長い目でみているのが、健康保険組合向けのジェネリック医薬品導入支援サービスだ。ゆくゆくはSaaS提供も行っていきたい。ただ、SaaSについては、セキュリティ上の懸念を示す企業もあるだろうから、パッケージとの両立てで提供する考えだ。

　主力製品の「GRANDIT」はようやく黒字基調がみえてきた。2010年度は、アクセルを踏むタイミングを見極めるためにコストを切り詰めていたが、IFRS（国際財務報告基準）対応を追い風に、積極的に投資していく。

　M＆Aも真剣に検討していくが、売り上げ規模を追求するような真似はしない。特殊分野でトップ、あるいはナンバー2になるというのが目標だ。すでに、足元の事業の収益性を上げて、経営体質の強化を果たした。2011年度は、利益ある成長を目指したい。