視点
世界における違法コピー撲滅の動き
2010/06/24 16:41
週刊BCN 2010年06月21日vol.1338掲載
5月には、「ビジネス ソフトウェア アライアンス」(BSA)が、2009年の世界ソフトウェア違法コピー調査の結果を発表した。これによると、中国の09年における違法コピー率は79%。03年の調査では92%で、当時の調査対象国のうち、ベトナムと並んで最も違法コピー率が高いとされていたが、以後毎年減り続けている。政府主導の正規版化運動の成果は、このように数字にも現れている。
日本は、この調査では21%。米国の20%に次ぐ2位で、ルクセンブルグと並んでいる。ちなみに4位は、22%のニュージーランド。順位と違法コピー率は、ここまで08年の調査結果とまったく変わっていない。
このように日本は近年、違法コピー率においてトップレベルにあることから、韓国のテレビ局が日本の例を学びたいと、取材に来た。韓国は、ソフトウェア産業を育成するため政府が積極的な支援を行っているが、違法コピー率は41%で28位にとどまっている。
こうした数字だけを比較すれば、日本が世界第2位の位置にあることを誇っていい。しかし、北海道庁をはじめ、自治体における違法コピーの使用が相次いで発覚したことを鑑みると、実際にはどの企業・団体もソフトウェア管理の徹底に苦慮しているのではないか。例えば、講演などで訪れた先で、ソフトウェア管理は行っていると答えた人から「ライセンスとは何ですか」と質問されたことがあり、実態には疑問符がつく。
このような状況のなか、販売店の果たす役割は大きいと思う。改めて、日常的に接している企業や自治体にソフトウェア管理の徹底を案内してほしい。そうすることで、ボリュームライセンスやアップグレードなど、定期的な販売に結びつくと思う。ACCSでは、ソフトウェア管理を徹底するための冊子や資料を用意している。Webサイトからダウンロードすることもできるので、ぜひ利用していただきたい。
- 1
関連記事
<中国違法ソフト事情>正規版利用率、わずか数%の衝撃 中国の日系企業がはまる“落とし穴”