解剖!メーカー流通網

<解剖!メーカー流通網>59.エムオーテックス グループウェア独自の流通網を整備 大手ディストリ3社の傘下に300社のリセラー

2010/04/08 20:45

週刊BCN 2010年04月05日vol.1328掲載

 ネットワーク監視ツール市場でトップシェアを堅持するエムオーテックス(MOTEX)。IT資産およびPC構成管理ツール市場では、42.5%のシェアを確保している(富士キメラ総研調べ)。同社は2006年、新たな市場としてグループウェア市場に進出した。グループウェアにPC資産管理やログ収集、週報などの機能を加えた「LanScope Eco」を開発。2010年3月には2度目のメジャーバージョンアップ製品「同3」を発売した。販売開始以来、累計で約350社に納入した(10年2月末時点)実績があるが、今後は「これまで以上にマーケティング費用を投じる」(池田淳・Sales Action営業推進部部門長)と徹底攻勢をかける構え。来年にはライセンスおよびサポートサービスを含めて1億円のビジネスに育てる計画だ。

 「LanScope Eco」の販売・流通網は、「LanScope Cat」とは別に整備している。「LanScope Cat」には、大塚商会など11社の1次販売代理店が存在するが、「LanScope Eco」はそれとは異なる販売網で流通する。

 まず、MOTEXの下に大手ディストリビュータ3社のソフトバンクBB、ダイワボウ情報システム、ネットワールドが商品を卸す役割を担う。この3社の傘下に約300社の「リセラー」と呼ぶITベンダーが再販する仕組みだ。

 同製品の販売実績が多い主なITベンダーは、キヤノンシステムアンドサポートとリコー、そしてNECフィールディング。同製品のメインターゲットは保有PC台数30~50台の中小企業に定めていることもあり、中小企業へのIT製品・サービス販売に強く、営業・サービス拠点が多い企業が名を連ねている。

 リセラーは当初1000社を目標にリクルート活動を促進していたが、今後は数ではなく、現状300社との連携を強化し、既存リセラーの販売力強化を支援する考え。競合が多い市場だが、ネットワーク監視ツールで培ったブランド力と協力な販売網で競合に割って入ろうとしている。(木村剛士)

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