IT経営コーディネート 企業活性化にITCの妙手
<「IT経営」コーディネート 企業活性化にITCの妙手>130.ITC-Labo.の取り組み(後編)
2010/03/18 20:45
週刊BCN 2010年03月15日vol.1325掲載
・(前編)から読む
ITベンダーとITCとの連携に注力
ITC-Labo.は、ユーザー企業に対するITコンサルティングのほか、IT経営の意識を高めてもらう研修を実施している。一方、ITベンダーにもIT経営について学んでもらうセミナーを毎年10回程度実施しており、3日間コースや5日間コースを設けている。
任意団体として2002年に設立して以降、40~50件の案件を抱えてきた。ユーザーによって、置かれていた状況や課題は異なる。ただ、「経営者が『大きな耳』と『ブリリアントな目』をもつ企業が成功事案につながる」という。加えて、「世代交代期で次世代に経営を委ねるときに、引き際をわきまえている経営者」であることも重要だと指摘する。
活動範囲は西日本全域で、地域特性に合わせたITコンサルティングを提供。各地域のITCと連携するようにしている。対照的に東日本では、「産業が都内に集中しており、ITC-Labo.の代替組織はない。人的ネットワークができにくい面もある」という。とはいえ、組織化は西日本においても課題の一つ。各地域のITCに向けたセミナーの講師を務めたり、四国や沖縄のITCのOJTを実施したりしている。
ITC-Labo.は、ITベンダーとの連携にも力を入れている。「ITベンダーにIT経営を理解してもらうことが目標だ。課題を抱え、苦境に晒されている中小ベンダ―は、たくさん存在する」。ユーザー企業がITベンダーとの交渉能力に欠ける場合、ITCはITベンダーとユーザーを仲立ちする役割を担う。今後は、「ITコーディネータ協会(ITCA)や情報サービス産業協会(JISA)と連携して全国展開していきたい」と方針を語る。具体的には、営業やシステムエンジニアに向けた研修やユーザー企業への同行訪問、営業活動についてのアドバイス提供などを検討している。
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