IT経営コーディネート 企業活性化にITCの妙手
<「IT経営」コーディネート 企業活性化にITCの妙手>129.ITC-Labo.の取り組み(前編)
2010/03/11 20:45
週刊BCN 2010年03月08日vol.1324掲載
後進のITC育成目指す
川端一輝代表理事 |
ITC-Labo.は、ITスキル標準(ITSS)準拠の独自のITC認定制度を設けている。内訳はこうだ。シニアITCを最上級に、認定ITC、一般ITCと続く三段階に区分されている。シニアITCは、ITCのチームを率いて、ユーザーのコンサルティングを実践することができる。認定ITCは、ITC-Labo.の品質を維持に最低限の実力を備えている。一般ITCは、「ITCになったばかり」で経験の乏しいITCだ。ITCAのITC認定基準であるITSSに置き換えれば、シニアITCが5以上で、認定ITCが4、一般ITCが3.5となっている。
それぞれの階級には明確な基準は存在せず、ITCの自己申告としている。川端氏がOJTを通して、基準に照らし合わせて妥当かどうかの判断を行う。ITC-Labo.がなによりも重要視するのはOJT。「とにかくOJTに尽きる。知識やスキルを実践の場で活用できるかというと、なかなか難しい。カリキュラムではカバーできないところがある」。川端氏は、若手の育成訓練を目的として、少なくとも一人につき3件はOJTとしてITCに同行するようにしている。ユーザーへの訪問後は、反省会を開き、ITCにアドバイス。「現場では言えないから、反省会で悪かった点を指摘する」。ユーザーの信頼を損ってしまわないようにするためにも、同行は必須だという。そんな心配がなくなればITCとして一人前だ。
ITCに求められる資質は、「徹底したコミュニケーション力」だという。ITCがコンサルタントとして接する相手は中小企業の経営者。経営者となれば、それなりの能力や情報収集力をもっている。そんな経営者の信頼を勝ち取るためには、「一般教養を培い、経営者と会話が弾むようにする」必要がある、と指摘する。教養人になるための一歩として、古典を読むことを推奨する。
教養とコミュニケーション力は、不可分に結びついているというのが川端氏の考え方。コミュニケーション力を培えば、「ユーザーの声や意見の見当がつくようになる」と話す。
・(後編)に続く
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