IT経営コーディネート 企業活性化にITCの妙手
<「IT経営」コーディネート 企業活性化にITCの妙手>127.日立ビジネスソリューション(前編)
2010/02/25 20:45
週刊BCN 2010年02月22日vol.1322掲載
設立:2007年
人員:4人(ITC有資格者48人)
所在地:神奈川県横浜市
活動内容:ITコンサルティングからIT導入、活用支援までのトータルサービス。
これまで数々の成功事例を作る築いてきた独立系のITコーディネータの活躍ぶりを追ってきたが、今回は企業内ITCの取り組みを紹介する。
ITCのスキルを活用する部署を新設
日立ビジネスソリューション(木村伊九夫社長)は、システム開発のほか、中小規模の顧客を中心に業種・業務に特化した、ニッチな自社開発パッケージを中心とするソリューションの提供を行っている。同社は「トータルソリューションプロバイダ」として、販売面や技術面などの総合力を身につけた人材の育成に力を入れている。日立ビジネスがITCの育成に乗り出したのは、東京から神奈川に本社を移転した2004年ごろ。SEの体質強化のために育成を開始した。2003年当初は二人だったが、現在はITCの有資格者が48人にまで増えている。
各事業部のリーダー、マネージャークラスの社員がITCの資格を取得、そのノウハウを提案に生かしている。ITCは『経営者の立場に立って、経営とITを橋渡しし、真に経営に役立つIT化投資を推進・支援するプロフェッショナル』と定義される。「これまではシステムに特化した考え方で顧客にシステムの提案を行っていたが、経営上の課題を聞いたうえで、経営者側の視点に立って、それに即した最適なITシステムの提案ができるようになった」(ITコンサルティングセンタの曽根国男部長代理)という。自社が取り扱っていない製品についても、顧客が抱える課題を解決するために欠かせないものとして、日立ビジネス側からも提案している。
2007年、中小企業の顧客向けに「ITコンサルティングセンタ」を立ち上げた。「それまでは、SE個人のスキルを高めるためにITCの資格取得を推進していたが、資格保有者が増えてきたことから、タスクフォースを立ち上げて、資格取得で身につけたノウハウをどのように生かしていくかを検討するようになった」(瀬戸昭彦・ITコンサルティングセンタ長)。ITコンサルティングセンタにITCを集め、中小企業にとってどのような業務システムをつくれば喜ばれるのかといったニーズを探り、コンサルティングを行いながら、本業の業務システムのパッケージ化に生かしていくなどの役割を担っている。
今は講演などでの話し手をITコンサルティングセンタで受け持っている。親会社の日立製作所や自社が主催するセミナーで、自社ソリューションの強みをアピールしているのだ。昨年、非常に多くの参加者を集めたのが、パンデミック対策ソリューションだった。同社の得意とするリモートアクセスなど、携帯関連のソリューションも積極的に訴求している。
セミナーでは、あるユニークな取り組みにより、次につながる関係づくりを心がけている。
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