IT経営コーディネート 企業活性化にITCの妙手
<「IT経営」コーディネート 企業活性化にITCの妙手>123.ITCAの取り組み(上)
2010/01/28 16:40
週刊BCN 2010年01月25日vol.1318掲載
ITCを明確化する節目の年に
2001年に設立されたITコーディネータ協会(ITCA、関隆明会長)が、2010年2月で10年目を迎えることになる。高橋明良・専務理事は、「日本の企業や組織などでIT経営やITの利活用が進んでいる。そのなかで、ITコーディネータ(ITC)のポジショニングを改めて明確化する必要がある」と訴えており、「さまざまな場面でITコーディネータの活躍の場を増やしていかなければならない」としている。そのため、協会として2010年はITコーディネータの知名度をさらに向上させるための取り組みを積極的に実施していく方針だ。高橋明良・専務理事 |
また、ITベンダー内の資格取得者が「社内で活躍できることも周知していく」という。ユーザー企業からシステム案件を獲得する際、「資格取得のエンジニアなどは、ITの技術面と経営面を理解している。そのため、経営の視点からITを活用することをユーザー企業に提案できる」と、営業担当者の支援にメリットがあると訴えていく。
さらに、「協会として国の政策にも積極的に貢献していきたい」意向。とくに、「地域活性化」をテーマにITコーディネータ協会と各地域のITコーディネータで構成される団体との連携を強化し、「組織力で地方のユーザー企業を盛り上げる」としている。業界団体との連携強化も視野に入れており、「情報サービス産業協会(JISA)や全国地域情報産業団体連合会(ANIA)などと緩やかではあるがタイアップしている。このような取り組みを増やしていく」という。
これまでITCの資格は、ITベンダーの技術者などがスキルを高めるために取得するという位置づけがメインだった。しかし、高橋専務は、「最近は、ITコーディネータがユーザー企業とITベンダーをつなぐ役割という点で“コミュニケーションのプロ”という表現が適している」とアピールする。ユーザー企業がRFP(提案依頼書)や提案書の策定できるように支援し、ITベンダーとのコミュニケーションが活発化するように促していく。「世界同時不況の影響でIT市場は冷えている感があるものの潜在的な需要はある。掘り起こしていくには、コミュニケーションが重要」と語る。
・(下)に続く
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