共挑

日本オフィス・システム（NOS） 尾崎嵩 会長

　新しい3か年中期経営計画が2010年からスタートした。キーワードの「共挑（きょうちょう）」は、その経営計画の名称だ。顧客や社員、ビジネスパートナーと“共に挑戦”して、ビジネスを拡大させる。2009年までの経営計画「仁慈」は、主にワーク・ライフバランスがとれた、働きやすい環境づくりに力を入れてきた。社員の仕事に対するモチベーションを高め、組織や個人の創造力を生かしたビジネスモデルを構築できたと自負している。

　直近の業績は、ハードウェア製品を含むシステム販売と、これに伴う保守サービスの減少で厳しい結果となった。ただ、こうしたなかでも、独身寮を過去3年間で110戸まで増やしたり、60～65歳の人材を対象とした再雇用制度を整備、週3日の「ノー残業デー」を設定するなど、経営計画を着実に実行に移した。業績が厳しいなかで、当初の目標のすべてが達成できたわけではない。新しい経営計画においても、仕事と家庭を両立できる、働きやすい職場づくりに引き続き取り組んでいく。

　ビジネス面では、オンデマンド型ERPサービスなど、クラウド型のサービスビジネスの立ち上げに力を注いできた。とかく労働集約、長時間労働になりがちな情報サービス業界だが、当社では技術を集約して付加価値を高めるモデルへ移行させる。課題はまだ多くあるものの、顧客や社員、ビジネスパートナーとともに「共挑」することで、実現させていく方針だ。