年頭所感
【2010年 年頭所感】 内田洋行
2010/01/14 20:37
週刊BCN 2010年01月11日vol.1316掲載
100年の顧客価値
内田洋行 柏原孝 社長 |
だが、足下の業績をみると、そう楽観してはいられない。当社は情報システム、オフィス家具、教育の三つの事業の柱をもつが、リーマン・ショック以降、とくにオフィス家具の落ち込みが大きい。もはや、オフィス家具単体では、十分な付加価値を得られない。
そこで当社では、オフィス家具・教育向け商材にITを融合させた「ユビキタス・プレイス」のコンセプトを前面に出してビジネスを推進。この戦略をより加速していくことで競争力を高める。すでにオフィス家具とITを融合させたテレビ会議などの遠隔コミュニケーション系の商材は引き合いが急増。会議のための人の移動を減らすことは、単純にコストを減らすだけでなく、CO2など温室効果ガスの排出抑制にも役立つ。万が一、パンデミックが発生したときの事業継続にも有効だ。
将来に向けてロボットの研究にも力を入れている。ここでいうロボットは人型ではなく、環境知能と呼ばれる領域。オフィスや教室など空間側に知能をもたせ、センサーで情報を集約し、そこで活動する人間の知的生産を支援するというもの。研究段階の案件も多いが、オフィスと教育、ITの3分野を手がける当社だからできる技だ。これまで積み重ねてきた実績と信頼をもとに、これからも顧客価値の向上に努める。
- 1