変革の加速

富士ゼロックス　山本忠人 社長

　2009年は、社内外ともに「革新」や「変革」という言葉があてはまる年だった。当社自身は、単体の複写機販売から“卒業”し、サービスやソリューションに傾注したり、中堅・中小企業向けビジネスを本格化するなど、これまでと異なるジャンルへの取り組みを開始した。

　システムの提案、導入からサポートまで「ワンストップ」で提供する必要があり、単純な「モノ売り」ではもはやビジネスが成り立たない。まだまだ完璧とはいえないが、物販やアウトソーシングなど、「グローバル・サービス」の観点で“手触り感”が得られるようになってきている。

　09年後半から製品が出揃い、営業のやり方も徐々に動き出した。2010年もけっして「青空」ではないはずで、楽観はできないものの、“手触り感”が出て、方向性が正しいことが分かった。2010年は、その変革を加速させることをキーワードにしたい。

　現在、製品面では、ローエンドからハイエンドまで種類を増やしている。ただ、サービスだけを提供する企業だとは思っていない。入出力機を伴った「ドキュメント・サービス＆コミュニケーション」に絞っている。その際に、プリンタ機器は必要だと考えているので、競合会社とは一線を画している。

　2010年3月には、8拠点に分かれていたR＆D部門を一か所に集約。技術の融合はサービス展開を行うために必要で、それを一か所で応えられるようにする。