年頭所感

【2010年 年頭所感】 NTTソフトウェア

2010/01/07 20:37

週刊BCN 2010年01月04日vol.1315掲載

助走

NTTソフトウェア 伊土誠一 社長
 力を蓄える時期だ。2009年に引き続き、10年も厳しい状況が続く。先行き不透明な市況感だといえるが、期待値を込めて景気回復の曙光が見えて欲しいと願っている。そういった意味では、10年を夜明け前と捉えて、景気回復時に一気に離陸できる体制を整える。

 09年を振り返ってみると、五里霧中の市場環境だったことから、スピードを落として低空飛行しなければならなかった。しかも、先が見えないために乱気流にもまれて、上がったり下がったりだった。しかし、08年秋からの不況で景気が悪くなることを予測していたため、09年度(10年3月期)は日々のデータを管理して詳細に実情を分析するリアルタイム経営を貫き、利益獲得を重視した。そのおかげで、大きなダメージは受けなかった。世間では、「100年に一度の不況」といわれているが、軌道修正を繰り返した甲斐があり、それほど深刻ではない。

 ユーザー企業のコストに対する要求は厳しかった。ベンダー間の値下げ競争が激しかったが、中国でのオフショア開発など生産コストの改善で利益を確保した。今後は、効率よく開発するために分散開発を視野に入れる。当社が獲得した案件を工程ごとに分類し、複数ベンダーに依頼するのだ。そこで、ニアショア開発を取り入れて地方を活用する。今、北海道のあるベンダーと話を進めている。早急に仕組みをつくり、徐々にではあるが将来的には全国網に広げる。この取り組みは業界の活性化につながるとも考えている。
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