地場有力ITベンダー 未来を語る
【長崎県】オフィスメーション “医療”に特化し強みを作る
2009/10/09 20:42
週刊BCN 2009年09月21日vol.1301掲載
石橋洋志 社長 |
選択肢は、「自治体」「税理士事務所」「農協」「医療」の四つがあった。そのなかで「医療」に着目した。なぜなら、長崎は原爆が投下されたという背景もあり、病院が非常に多かったからだ。そこで、まずコンピュータを使ったレセプトを作成するシステムの開発・販売などから始めた。その結果、長崎市内の十善会病院や光晴病院といった大きな医療機関や県内300の診療所にレセプトシステムなどを導入してもらった。
当社は設立当時から富士通系ベンダーで、医療機関向けには富士通の医療ソリューション「HOPE(ホープ)」を販売する。具体的には、電子カルテや医療事務などのシステムを提供している。システムはパッケージをそのままで使うのではなく、当社が病院ごとにカスタマイズし、納入している。
長崎県は、病院や医師会が中心となり、長崎地域医療連携ネットワークシステム「あじさいネットワーク」を構築するなど、医療の電子化が他県よりも進んでいる。この「あじさいネットワーク」のソフトウェアも当社が手がけた。そういう意味では、医療を選択し、特化したことは間違っていなかったと思っている。
代表者…石橋洋志 代表取締役社長 売上高…14億円 利益率…1500万円(税引前利益) 主要顧客…長崎県内の医療機関、 一般企業、農協 ハードとソフトの比率…6:4 県内・県外比率…9:1 |
8年前に建てた自社ビル内に設けたデータセンターを活用し、SaaSで必要なバックアップサービスにも乗り出した。まだ赤字だが、入札案件の数に左右されず安定した収入が見込める事業だ。今後は、こうしたストックビジネスにも力を入れていきたいと思っている。
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