解剖!メーカー流通網

<解剖!メーカー流通網>25.京セラコミュニケーションシステム PCI DSSを意識した販売展開

2009/07/20 20:45

週刊BCN 2009年07月20日vol.1293掲載

柔軟なサービス提供体制構築へ

 京セラコミュニケーションシステム(KCCS、小林元夫社長)は米国ベンダー、nCircle社のぜい弱性・リスク管理製品「nCircle IP360」を2002年7月から販売している。KCCSはnCircle社の国内総代理店として大手企業などへの導入実績がある。大手SIerやNIerと組んで公共機関にも導入してきた。

 一方、08年2月より「SecureOWL」ブランドで「nCircle IP360」を使用したぜい弱性検出やレポーティングサービスを提供。また「nCircle IP360」をエンジンとして、顧客仕様の「ソリューション」で提供することもある。商流としては製品、ソリューション、サービスの三つが大きな柱だ。

 開発元の米nCircle社はPCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard=カード業界におけるセキュリティの国際基準)においてグローバルで売り上げを伸ばしている。KCCSのセキュリティ事業部は国内でのPCI DSSの需要を意識した販売施策を打っている。

 クレジットカード関連事業者はPCI DSSへの準拠が求められているが、一方で「どういった製品を導入すればいいかが具体的に示されていることから、一般企業でも注目を集めている」(桑原貴志・セキュリティ事業部長)と話す。

 その証しが4月に開いた同社主催のセミナーだ。80人定員のところに117社からの応募があり、実際に出席した人数が60人にのぼった。「カード関連事業者以外の内部監査当者、情報システム部門の人も多かった」(同氏)と振り返る。

 不況で企業の投資意欲が落ち込んでおり、新規に製品を「買う」動きが鈍っている。「今後はサービス提供に力を入れていきたい」(同氏)。パートナーにSecureOWLごと運用を任せるなど、柔軟に対応できる体制を築いている。また米nCircle社はPCI DSSにおける「セキュリティ評価機関(ASV)」の認定を受けていることから、同社は代行サービスも国内展開したいと考えている。(鍋島蓉子)

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