解剖!メーカー流通網
<解剖!メーカー流通網>24.日本ヒューレット・パッカード 大企業からSMBまで全方位販売
2009/07/13 20:45
週刊BCN 2009年07月13日vol.1292掲載
景気回復後の需要獲得に動く
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は、法人向けPCについては「ダイレクト販売(Web)」「ダイレクトパートナー」「ディストリビュータ」「自社営業部門」の販路を通じて販売する。主力はA4ノートPCだ。デスクトップは、NEC、富士通、デルとの競争が続いている。4種のチャネルのうち「ダイレクトパートナー」は、パートナーがHPからPCを購入してカスタマイズのうえ、顧客に販売する制度。丸紅インフォテックやソフトバンクBB、ダイワボウ情報システム、大塚商会、キヤノンMJ、リコーが参加する。ディストリビュータのみの販路ではカスタマイズを行わない標準的な機種を販売している。
一方、自社の営業部門がターゲットにするのは、従業員が1000人以上の大企業。ここではPC単体の販売はもちろん、資産管理やクライアントPCのリモート管理といったサービスも提案。付加価値を高めて売り上げ拡大につなげる。
東京・昭島市にPCの生産工場を持つ同社では、「営業部員がヒアリングした顧客の仕様に素早く対応し、生産できるのが強み」(前田悦也・パーソナルシステムズ事業統括クライアントソリューション統括本部デスクトップビジネス本部本部長)と強調する。
昨年からの景気低迷で新規やリプレースといった法人PC需要は冷え込み気味だが、同社では「9月頃には景気は回復する」(同)とみて、販売のアクセルを踏む。自社の営業部隊は他社に先駆けて積極的に大企業を開拓。同時に、ダイレクトパートナーやディストリビュータの販路を軸として従業員が100~500人の企業への売り込みを強化する。足元を見れば、「単価をはじめとする厳しい案件が多い。今はノート、デスクトップともに(利益確保のために)量の勝負になっている」(同)と不況の影響は根強い。しかし、前田本部長は「当社はスケールメリットを活かしてコストダウンに十分対応できる。攻めの姿勢は崩さない」と意気込んでいる。(米山淳)
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