視点
自治体の“違法”認識の薄さに唖然
2009/07/06 16:41
週刊BCN 2009年07月06日vol.1291掲載
それによると、日本は過去最小の21%となり、米国(20%)に次ぎ、ルクセンブルグと並んで同率の2位となった。かねてより、日本が1位になる日は遠くないと公言してきたが、また一歩近づいたことになる。
ところが、この違法コピー率調査が発表された同じ5月、石川県庁でソフトの違法コピーが露見した。新聞報道によると、「PowerPoint」「Photoshop」など約550本が違法コピーされていたという。その他、1000台以上のパソコンで、許諾条件に違反してソフトが使用されていたとの報道もあった。
現在でも、ファイル共有ソフトによる違法アップロードが後を絶たないなど、インターネット上の著作権侵害は深刻な状況にある。一方、個人ユーザーや中小企業では、未だ違法コピーが存在している状況にある。しかし大企業では、コンプライアンス(法令遵守)意識の高まりに伴い、違法コピーに関する情報を聞くことは少なくなった。率先して法令に従うべき立場にある地方公共団体やその職員においては、なおさらだと考えていたが、まだ違法コピーを行っている自治体があったとは…。
もう10年ぐらい前のことだが、北海道の自治体を訪ねたとき、違法コピーソフトが使われているのを目の当たりにしたことがある。しかも、違法コピーされたソフトは、地元企業が開発したものであり、地域産業振興課を含む多くの課でコピーされていた。
地域活性化を声高に叫ぶ足下で、地元の産業振興に背く行為をしていたことに驚いた。その地域産業振興課の職員は、情報発進力を高め、地域の情報化を推し進めるためには、ソフトウェアの管理、情報の管理が重要であることを理解できていなかったのかもしれない。
今回の石川県や奈良市での事態を受けて、ACCSは、都道府県の知事および政令指定都市の市長に対して業務で使用しているソフト管理のさらなる徹底を求めた要請文を送ったところである。
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