解剖!メーカー流通網

<解剖!メーカー流通網>19.OKIデータ 大規模・大量導入を推進

2009/06/08 20:45

週刊BCN 2009年06月08日vol.1287掲載

5大コン販社や大手SIと連携

 OKIデータが昨年10月に発売したページプリンタと複合機の新ブランド「COREFIDO(コアフィード)」は、「5年間無償保証」を打ち出したことが奏功し、今年3月に全販売台数が同社初の2000台超えとなった。

 これまで同社のプリンタは中堅・中小企業を中心に販売。主にダイワボウ情報システムなど大手ディストリビュータ経由で事務機ディーラーなど2次店へ卸す「商流」がほとんどだった。家電量販店ルートはエプソンやキヤノンなど先行勢に加え、新興勢力のブラザー販売がシェアを奪い、これまでの勢いが失われた。


 ディストリビュータ経由では、「5年間無償保証が利いて、2次店の数や物量自体も増えた」と同社幹部。これを機に、競合他社プリンタを含めたマルチベンダーで販売展開する2次店開拓を推進している。


 一方、今年度(2010年3月期)は、同社試算でページプリンタ、複合機の国内販売台数比率で55%を占める官公庁・自治体、文教、大企業・金融など、大規模ユーザーに向けて一度に大量導入する販売戦略を打ち出している。「まずは、国内カラーシングルプリンタのシェアで11.1%の獲得を目指す」(栗本清・国内営業本部長)と、エプソンを抜いてベンダーシェア4位に躍り出る心算だ。


大規模ユーザー向けでは、まず、親会社のOKI(沖電気)が抱える大手ユーザー企業に対し、グループ会社のサポート会社、OKIカスタマアドテックと連携した販売を全国展開する。この施策では、OKIブランド製品だけでなく、同社独自のLED(発光ダイオード)プリンタのOEM(相手先ブランドによる生産)製品も提供する。

 

 大企業・金融や文教市場向けには、富士通やNECなど5大コンピュータメーカーの全国の地場で活躍するグループ販社や大手SIerと組み、大量導入案件を掘り起こす計画。だが、競合他社も同様の関係性を築いているだけに、OKIデータが抱える課題は少なくない。(谷畑良胤)

 

 

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