IT経営コーディネート 企業活性化にITCの妙手
<「IT経営」コーディネート 企業活性化にITCの妙手>88.「IT経営力大賞」シリーズを終えて エピローグ(下)
2009/04/06 16:40
週刊BCN 2009年04月06日vol.1279掲載
単価下落に管理費削減で対応

本欄ではこうしたユーザー企業の悩みに対し、ITコーディネータ(ITC)がITの利活用で解決に導く事例に多く接してきた。富山県南砺市にある内装仕上工事を主に営む建設業の第一交易は、「ITバブル崩壊」や最近の経済不況で建設着工件数が激減した影響を受けた。当然、同社の内装着工件数も減る。そこで「売上至上主義や成り行き管理を排除」して粗利管理を徹底するため、販売・工事管理システムを導入して窮状を打開したという。
地元で「ファッションセンターしまむら」の地域モデルと称されるファション・衣料品店「アビ・ヒサツネ」を展開する大分県の久恒衣料。事業が拡大するにつれて服飾品メーカーとの取引量が増加し、現在国内外で約600社を数える。その分、商品点数が膨大になり「商品管理」が煩雑になった。そこでバイヤーと売り場担当者、メーカーの3者間で情報共有できるEDI(電子データ交換)システムを構築した。この業界は「薄利多売」が常識。SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)の管理に手間を取られれば本業に支障をきたしかねず、IT導入を決断したのだ。

こうした企業の案件は、ITCが支援する企業の事業全体や、それにまつわる業務フローを完璧に理解することが求められる。そこで生じている「ボトルネック」を探してITで埋める作業には、企業経営やITなどを熟知したITCの力が欠かせない。
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