視点
プログラマは「書く」より「読む」
2009/03/16 16:41
週刊BCN 2009年03月16日vol.1276掲載
プログラムが上手に書けないのは、読んだプログラムの量に不足があるからだ。書く練習よりも読む練習が大切なのに、とりあえず文法を覚え、まずはプログラムを書くことばかりをやってしまいがちになる。
あまりに当たり前の話だが、小説を読まずに小説家になった人はいない。音楽を聴かずに音楽家になった人もいない。映画を観ずに映画制作に関わる人もいない。プログラマとして身を立てるためには、前提条件として大量のプログラムを読破することが必須となる。幼い子供が言葉を覚えてゆくプロセスと同じだ。まず聞き取りや読み取りが先行し、その後に書き取りが続く。この順番が逆転することはない。
幸いにもオープンソース(ソースコードが公開されたプログラム)が身近に溢れるようになった。本の中に書かれたプログラムもオープンソースであり、Webをググって出てくるプログラムもオープンソースだ。これらのプログラムを読むことが日課になれば、プログラマへの道が開けてくる。
プログラムを読むという日課(毎日の勤務)は一種の生活リズム。これを根本で支えているのは実のところ食事と睡眠の時間になる。これも当たり前の話だが、軽んじる人が多いようだ。寝食を忘れてプログラミングをするのは、決して褒められたことではない。決まった時間に食事をし、定まった時間に睡眠をとることは、吸収効率のよい脳(精神活動)を調整してくれる。疲れた脳を咀嚼(そしゃく)運動でリフレッシュ、乱雑に引き出されて散らかった脳内を睡眠で整理整頓。1日3回の食事と1日3分の1の睡眠が脳活動のメリハリであるリズムを生み出し、プログラマとしてのセンスとスキルを磨いてくれる。
朝食の前にコレをやろう、昼食前までにソレをしよう、夕食までにはアレを終わらせよう、就寝前までにここまで読もう──。ことほどさように食事と睡眠が生活のマイルストーンになっている。まさに計画性の源。こうなりたいという具体策を実行する糧である。くれぐれも「寝食を忘れて仕事に没頭」などの言葉に惑わされず、寝食を正して、プログラムの読みを日課としよう。
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