解剖!メーカー流通網
<解剖!メーカー流通網>5.日立製作所 ミドルウェア主力2製品
2009/02/16 20:45
週刊BCN 2009年02月16日vol.1272掲載
パートナー1社ごとに専任要因配置
日立製作所が開発・販売するミドルウェアの主力は運用管理ツール「JP1」とアプリケーションサーバー「Cosminexus」。両製品ともに直販とパートナー経由の間接販売を併用する。両経路に、明確な年商規模の棲み分けはないというが、主に大企業が日立で中堅企業以下はパートナーが担う。ただ、官公庁などの公共機関や金融機関は、規模に関係なく日立が手がけるケースが多い。間接販売は大きく分けて(1)日立の出資がある日立系(2)独立系(3)他社製ブランドに変更して販売されるOEMの3経路がある。「JP1」は独立系が多く、逆に「Cosminexus」は日立系ITベンダーが多い。パートナー数は、両製品3分野あわせて約370社。両製品とも扱うパートナーは約100社で、そのほか200社程度が「JP1」だけを扱う。これらは1次代理店で、その下に2次代理店がぶら下がる。
パートナーは三区分されている。(1)提案・販売の「販売パートナー」(2)システム構築を手がける「テクニカルパートナー」(3)ネットワーク機器など連携製品を持つ「連携パートナー」だ。
このように区分するのはソフト販売特有の事情がある。IAサーバーなどのハードウェアとは異なり、ソフトは“横流し商売”がしにくい。特にミドルウェアは受注したらそれで終わりではなく、構築・運用業務が重要になる。ただ、パートナーのなかには、「販売力はあるが構築力がない」、またはその逆も少なくない。日立はそのような異なる特徴を持ったパートナーをマッチングさせ、協力して販売から運用まで手がける仕組みを築いているわけだ。テクニカルパートナーは、製品の認定資格取得者が5人以上在籍することが条件で、構築スキルのレベルが高いITベンダーが揃う。
パートナー支援は、ソフトウェア事業部に数十人で組織した専任チームを設け、1社ごとに担当者がいる。加えて、「ビジネス企画本部パートナー企画部」という日立のプロダクト全製品のパートナー支援組織もサポートする体制を整えている。(木村剛士)
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