解剖!メーカー流通網
<解剖!メーカー流通網>2.VMware 有力SIerの参画相次ぐ
2009/01/26 20:45
週刊BCN 2009年01月26日vol.1269掲載
全国約400社の流通網を構築
ヴイエムウェア(VMware、三木泰雄社長)は、全国約400社のビジネスパートナーからなる流通網を構築している。2003年に日本法人を設立。わずか5年余りで有力SIerがこぞって参画する巨大流通網を形成した。大手SIerのITホールディングスの岡本晋社長は、「バーチャル化とサービス化の二つがIT業界のトレンド」と指摘。仮想化技術をバックボーンとして、ソフトウェアをサービスとしてユーザー企業に利用してもらうアーキテクチャへの変化を敏感に感じ取ったITベンダーが積極的にこの流通網に加わっている。中堅・中小企業向けのSI(システム構築)とアウトソーシングに強い日立情報システムズは、08年10月に国内で初めてVMwareの最上位パートナー資格「VIPプレミアパートナー」を取得。サーバーやクライアントの仮想化によるコスト削減を武器に、SIやアウトソーシングビジネスの拡大を狙う。
千葉・佐倉市は、市役所の庁内システムで使う主要なサーバー約50台を8台に統合し、コスト削減を推進している。07年から順次行っているもので、このケースでは市役所のシステム運用を請け負っていた大崎コンピュータエンヂニアリング(OEC)と、VMwareをベースとしたSIを得意とするネットワールドが協業して受注。OECは、VMwareの「VIPプロフェッショナルパートナー」の資格を持つ。ネットワールドは、2000年から国内代理店としてVMware全製品の導入実績やコンサルティングなどを手がけ、「認定ディストリビュータ」や「認定コンサルティングパートナー(VAC)」の資格を持つ。パートナー同士がそれぞれの強みを生かした連携も進む。
今後の流通施策についてVMwareの三木社長は、「パートナーの中身の充実を優先」する方針を掲げる。数の多さではなく、パートナーが強みとする領域を伸ばせるよう、営業や技術面で支援していくことでビジネスの深耕を目指す。(安藤章司)
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