年頭所感

【2009年 年頭所感】 IT企業トップの「決意」と「実行計画」 日本ソフトウエア産業協会(NSA)

2009/01/19 20:37

週刊BCN 2009年01月19日vol.1268掲載

コアコンピタンス

河合輝欣 会長


 今こそ自らのコアコンピタンスをしっかり伸ばす時だ。日本ソフトウエア産業協会(NSA)のメンバーは、きらりと光る技術を武器に、それぞれ特定の領域で強みを持つ。ただ、売り上げばかりに気をとられ、自らの強みを生かせない派遣型などのビジネスに身を委ねるのは非常に危険。強みをより強くする不断の努力が欠かせない。

 景気後退の局面でも、ビジネス環境が好転している分野もある。ユーザー企業は、無駄のない効率的なITを求めており、こうした需要にSaaSやクラウド型のサービスが合致する。“所有”から“利用”への流れが加速しているのだ。業界を見渡せば大手SIerやコンピュータメーカーがこぞってデータセンター(DC)を拡充し、大容量の通信回線の価格も手頃になってきている。こうしたインフラを活用すれば、営業力の弱い中小SIerでも自らのソフト・サービスを全国に展開することが可能だ。これまでにはなかった販売チャネルが新たに形成される。

 わたしはサービス型ビジネスを推進するASP・SaaSインダストリ・コンソーシアム(ASPIC)の会長も兼務しているが、ここでは中小を含む多くのベンダーが、自身の業種・業務ノウハウをサービス化。「ASP・SaaS安全・信頼性に係る情報開示認定制度」では、すでに約50件が認定され、向こう1年で今の3~4倍に増えることも期待される。不況だからと弱気にならず、攻めの経営が勝ち残る必須条件となろう。
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