礎

遠藤隆雄 社長CEO

　強い意志をもって「礎」を築く年にする。企業の基本は顧客や社員、製品の価値を高めること。まずは顧客の経営に貢献できるように顧客にフォーカスしたベンダーを目指すために足下を固める。このためには、「センス・アンド・レスポンド」が求められる。ユーザー企業である顧客の期待、価値、悩みなどを「センス」してオラクル全体で「レスポンド」する流れを作ることが基本だ。

　顧客に限らず同社のパートナーの経営的な悩みなどを含めて理解することが必要になる。「顧客に満足いただくソリューション」を提供するためには、顧客の課題が認識できていなければ解決（ソリューション）などできない。

　09年のIT業界は、08年後半からの厳しい経済環境が続くため、決していい年でないと考える。その中では、「本物」の製品が採用される。「本物」とは実績があり安心して長く使える商材だろう。それが試される時期に来ている。ユーザー企業は事業を停止するわけではなく、IT投資をゼロにすることもない。09年は顧客の「取捨選択」の目が鋭くなる。

　「本物」を提供する上で製品事業の強化を図っている。特に、グローバル開発部隊との連携を積極的に進めている。これをしなければ、日本の顧客に「良い製品」を提供し続けることができないし、そうするために当社のグローバルの開発部隊に影響力を及ぼす必要がある。また、分かりやすく日本のシステム環境を説明すべきと考える。