ブレイクスルー

松本充司 社長

　2008年は、ユニアデックスの子会社になったこともあり、日本ユニシスグループ戦略の具現化に邁進した年だった。例を挙げれば、当社がIBM製品を活用したソリューション提供を得意としていることから、ユニアデックスがIBM製品の保守サービスを手がけるなどといった相乗効果が出てきた。09年は、さらにビジネス拡大に向けて取り組んでいくという意味で、「ブレイクスルー」という言葉を掲げる。

　具体的には、引き続きデータセンター向けサーバー販売やコンタクトセンター向けネットワーク構築などに力を注ぐ。サーバー環境として当社が得意としている「仮想化」ニーズが高まっているのを追い風にする。

　ユーザー企業にITシステムやネットワークインフラなどに投資する余力が乏しくなっている状況だ。米国金融危機に端を発した世界同時不況により、09年はユーザー企業が「守り」に入る年になる可能性が高い。とくに、製造業や金融機関など当社が顧客として獲得している業界では、人件費やコストを削減するといった見方が強まっている。これは必ずしも逆風とはならない。仮想化がさらに注目を浴びるからだ。

　こうしたことを背景にして、ITシステムの「所有」から「活用」を提案していく考えだ。コスト削減や生産性の向上が実現できるITシステムの利用を促していくことで需要を掘り起こしていきたい。また、当社自身もインフラ構築だけではないビジネスモデルの整備を進めていく。