年頭所感
【2009年 年頭所感】 IT企業トップの「決意」と「実行計画」 NECフィールディング
2009/01/12 20:37
週刊BCN 2009年01月12日vol.1267掲載
着実な成長
片山徹 社長
数年前から実行してきた構造改革が実を結び、売り上げ・利益ともに順調に推移している。今年度(2009年3月期)は2期連続増収増益を達成できそうだ。
とはいえ、懸念材料もある。主軸事業の保守サービスは、景気後退の影響を受けにくい面があるものの、今後はサービス料金の値下げ要求を受ける可能性がある。一部のユーザー企業からはすでにそんな声も聞こえてくるようになった。厳しい環境になると思うが、せっかく作った成長路線から沈んでしまったら意味がない。景気後退は、逆の面からみれば、IT需要も生むはずだ。コスト削減のために、情報システムを一括アウトソーシングしたり、運用をITベンダーに任せてシステム管理者を減らしたりといったケースが考えられる。急成長は難しいかもしれないが、着実に成長し、増収増益路線を歩んでいきたい。
課題は顧客満足度(CS)。08年は、第三者機関が手がけている保守サービス事業者のCS調査でNo・1の座を明け渡してしまった。主に、トラブルが発生した際の初期対応力やユーザー企業とのコミュニケーション力の面で競合他社に水をあけられたのが敗因だ。
CSを向上させるための特効薬はない。正直に言えば、09年にNo・1を奪還できるとは思っていない。3年ぐらいはかかるかもしれない。保守サービス会社にとって、CSは何よりも大事な指標。すぐに結果は出せないかもしれないが、挑戦者として地道にCS向上策を磨いていく。
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