市場創造

天野貞夫 社長

　市場に即した製品選定と複合的な提案を展開していくという意味で、「市場創造」をキーワードとして掲げる。

　2008年に、台湾メーカーとの協業でUMPC（ミニパソコン）にいち早く目をつけてフロンティア的な存在になったと自負している。この製品に関しては、法人に対して拡販していく体制を整備しており、営業部門内にUMPCに特化した専門チームを立ち上げた。一つの製品でターゲットとする市場を広げていくことは重要な戦略だ。09年も、こうした製品を国内市場に投入することは引き続きポイントになる。当社が成長していくうえでも、さまざまな分野で確固たる地位を築いていく。

　社内体制の整備の点では、組織変更や大幅な人事異動など抜本的な改革で黒字化を果たせる企業に生まれ変わった。ただ、利益をさらに伸ばしていくうえでは、課題も残っている。これまでは、ディストリビュータとして卸売りに徹しているケースが多かったが、当社はメーカーをはじめ、販売代理店やユーザー企業の声を聞いて最適な製品を提供することが使命だと考えている。その使命をまっとうするためには、マネジメントが行える人材を育成していかなければならない。そのために、定期的に社内試験を行うなど人材教育を進め、スキルの底上げを図っているところだ。

　市場環境は一段と厳しさが増すだろう。しかし、人材という“企業の土台”が堅固ならば不況のなかでも生き残れると確信している。