本質に立ち返る

鈴木國明 社長

　厳しい環境のなかで、成長するには何が必要か。そう考えた時、ユーザーに高品質な製品・サービスを提供するという「原点に戻る」「サービス業の本質に立ち返る」というキーワードが浮かび上がってくる。景気後退による影響は2008年秋から出てきており、09年もその流れは変わらないかもしれない。しかし、コスト削減や効率化が求められる状況は、IT産業界にとってはビジネスチャンスを生むプラス要素でもある。苦境に立たされると、逆に団結力が出てくるのが日本人の特性。あまりネガティブに考えず、原点に立ち返って経営する。

　富士通ビジネスシステム（FJB）は今年度（09年3月期）、3か年中期経営計画の最終年度を迎え、来年度からは新たな中計をスタートさせる。次の3か年計画を練るつもりだが、SaaSの台頭など、IT業界は大きな転換点にあると認識しており、もう少し長期的な視野で計画を練る必要があるとも感じている。

　ハード販売事業主体の体質から、ソフトサービスにシフトするための構造改革を行い、ある程度の成果は現在推進中の中計で出せたと思う。これをもっと強化する。ハードありきの商売ではなく、あくまでサービスとソリューションを軸に成長戦略を描く。当面の目標は営業利益率5％の確保だ。また、SaaSにも力を入れる。基本的にSaaSは中小企業に最適だと感じており、この顧客ターゲットに対しどのようなアプローチが適切かどうかも模索していきたい。