強みをさらに強く

伊与田悠 社長

　2008年のキーワードを09年も継続する。富士通エフ・アイ・ピー（富士通FIP）が持つアウトソーシング技術やWebサービスをもっと強くし、厳しい環境のなかでも成長を果たしたい。

　今年度（09年3月期）上期の業績は、ITアウトソーシングが引き続き好調で、売り上げ・利益ともに伸び、経常利益は昨年同期に比べ9％増で推移した。従来のように大規模なSI案件を獲得できる環境ではないが、アウトソーシング需要は底固く、景気後退の影響も受けにくいだけに、主軸事業として着実に成長させたい。

　また、Webサービス事業のなかで推進してきたSaaS基盤提供事業でも新たな方向に動く。この分野では06年5月に、アプリケーションソフトのサービス化支援事業を独自に開始した。ただ、富士通が昨春からSaaS基盤事業を本格展開している。したがって、富士通FIPとしては、自社サービスよりも富士通のSaaS基盤事業を優先し、富士通を全面バックアップする。SaaSはここ1～2年で需要が爆発するとは思っていないが、5年先ぐらいをみれば、多いにビジネスチャンスがある。

　一方で、環境対策も重要だ。当社は国内10か所以上にデータセンターを設置するだけに、データセンターの消費電力削減は至上命題となる。サーバーを統合したり、電源管理システムの活用などによって削減に努めるほか、空調などファシリティも含めた環境対策に取り組んでいきたい。