ダイハード

白石晴久 社長

　どれほどの逆境であっても、タフで頑強であること──。これが当社の最大の強みである。大型のソフト開発プロジェクトが漸減傾向にあるなかで、今回の世界的な不況に直面した。受託ソフト開発を基盤にしてきた当社にとって、強い逆風が吹き荒れる。だが、こうしたなかでも、逆境を果敢にはねのける“富士ソフトらしさ”を実践していきたい。

　受託ソフト開発がメインだった当社は、ここ数年で大きく変わった。2008年を振り返れば、大手SIerで最も早くGoogleと組み、企業向けのクラウド型アプリケーションサービスの本格的な販売に乗り出した。反響は極めて大きく、同年11月には東京・秋葉原にクラウドコンピューティングセンターを開設。同じく12月には、東京大学などと連携して、ヒトの軟骨の製造・量産を目指す「細胞プロセッシングセンター」を東京・錦糸町の事業所内にオープン。極めてミッションクリティカルな医療領域なので、本業であるITを駆使して万全の生産体制を構築している。続く09年1月下旬には任天堂のゲーム機向けにデジタルコンテンツを配信するサービスを開始する。

　これらはほんの一例に過ぎない。一見するとジャンルがバラバラのような印象を受けるかも知れないが、よく見るとクラウドや医療、デジタルコンテンツなど、どれもITが最も強みを発揮できる領域ばかりだ。周りから「あの会社はダイハードだ」と言われるよう、持ち前のタフネスを生かして、ビジネスを大いに伸ばす考えだ。