次世代Key Projectの曙光

<次世代Key Projectの曙光>86. デル(下)

2009/01/05 20:42

週刊BCN 2009年01月05日vol.1266掲載

動画などで充実図る

 従業員500人以下の企業に向けて、ビジネスに役立つローカル情報を提供するポータルサイト「Small Business 360」。米国ではすでに2年ほど前からサービスを提供していたが、デル日本法人(ジム・メリット社長)では2008年11月に立ち上げ、インターネット、雑誌などさまざまな媒体から役立つ記事を抜粋して載せている。

 顧客がCPUを詳しく知りたいと要望すれば、CPUについて分かりやすい記事を掲載したり、エンタープライズのトレンドとして仮想化の記事を掲載する。常に日本のユーザーを意識した情報提供に気を配る。課題は「よりためになるコンテンツを提供するために、デル内での満足でとどまっていてはいけないと考えている。セールス担当者とともに顧客の要望をサイトに反映させていく必要がある」と山口由美・SMB マーケティング E-ビジネス シニア コンサルタントは話す。


 09年1月以降はフェーズ2として、媒体からの記事の抜粋だけでなく、トップインタビューのようなオリジナルコンテンツを増やすことに力を入れる。そのほか、「医療、食品など業種別にITを使ったビジネスの情報を提供していきたい」と構想を練っている。


 すでにSEO対策などによって同サイトが検索の上位にくるような対策は打っているが、さらにPRを強化し、サイトを訪れててもらえるような仕組みづくりをしたいと展望を語る。来期以降は、地方にいるため同社のセミナーに参加するのが難しいユーザーに対し、ウェブキャスト(動画)を取り入れて、オンラインレッスンのような、コンテンツを提供しようと計画している。


 このサイト自体がデルのビジネスに結びつくかという点については、「例えば省電力のノートPCなど、中小企業の限られた予算内で、ニーズに沿ったデル製品の良さ、充実した情報を顧客に伝え、物販につなげたいという意図はある」としている。


 米国では、すでにいくつかのパートナーも「Small Business 360」に参加しているが、日本では、まだインテルのみが参画している状況。「パートナーとして参加したいという企業があるなら、ぜひお願いしたい」と山口氏は望んでいる。(鍋島蓉子●取材/文)

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