年頭所感

【2009年 年頭所感】 IT企業トップの「決意」と「実行計画」 日立情報システムズ

2009/01/05 20:37

週刊BCN 2009年01月05日vol.1266掲載

攻めと守り

原巖 社長


 どう“攻め”を維持していくのかが重要だ──。1990年初めのバブル崩壊、その後のITバブルと、これまで幾度となく大型不況を乗り越えてきた。この経験から、目をつぶっていても“守り”はできる。実際どこまで手をつけるかは別としても、ソフト開発の内製化や外注費などの経費削減策は、枚挙にいとまがない。正直いって、今の心情からすれば、会議室の蛍光灯を何本か抜いて、廊下も真っ暗にしたい気持ちですよ(笑)。

 これに対して“攻め”は知恵が要る。世界的な経済危機に打ち勝つだけの解決策を顧客に提示できる力量が必要だ。また、今回の危機を境に情報システムの在り方が変わる可能性が高い。コスト削減を推し進めるにはアウトソーシングやSaaS・クラウド型のアーキテクチャの方が有利。サーバーの仕組みも仮想化があたりまえになる。従来のクライアント/サーバー型や業務ソフトを個別開発する比重はより下がる。この領域を十分に攻め固めておかなければ、顧客に見切られるだろう。

 当社はデータセンターをベースとしたアウトソーシングビジネスに強みを持ち、業界に先駆けてクラウド型のコンピューティングを目指す“プール化構想”を打ち出している。厳しい経済環境においても、この基本戦略に沿ってビジネス構造の改革を推進する。IT投資が再び拡大基調に差しかかったときには、今の2-3倍のスピード感をもって攻勢をかけ、事業拡大を目指す。
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