信頼と技術力向上

梶川茂司 社長

　金融業界に端を発して、連鎖的な不況に陥っている。日本の場合、それが基幹産業の製造業に及んでいることが心配だ。国内金融業はまだ投資余力は残っているものの、製造業は血まなこになってコスト削減している。輸出型製造業には、さらに円高が追い打ちをかける。

　こうしたとき当社がまずやるべきことは、技術力を高める努力を怠らず、顧客の信頼を得ること。これ以外やるべきことはない。幸い、重点顧客を開拓するアカウント戦略を何年か推し進めてきた結果、成果は着実に現れている。向こう数年間はそれほど成長が見込めないと思われる。だからこそ、SIerの原点に立ち返り、顧客の課題を徹底解決する努力を惜しまない。

　今年度（2009年3月期）から来年度にかけては、正直厳しい時期になるだろう。現在のような状況では、「なんで今、こんな大変なときにIT投資なの？」と、ユーザーに切り捨てられるケースも出てくる。ただ、あと1年くらい経てば、縮小均衡に対する反動が確実に現れる。製造業大手にこうした動きが出てくれば、明るさが見えてくる。

　ITは経営の根幹を支える基盤であり、競争力を高めるのに欠かせない武器。いつまでも凍結したままでは企業活動そのものがもたない。マインドが変わってきたのを鋭敏に捉えて受注に結びつける方針だ。そのためには、自らの技術力を高め、顧客との信頼関係を深めることが求められる。