IT Stock Frontline
消去法でネット関連企業が浮上
2008/12/15 16:04
週刊BCN 2008年12月15日vol.1264掲載
「国内特化業種」が注目か
勝ち組と言われていたパナソニックが業績見通しを下方修正したように、企業収益の悪化懸念が一段と広がっている。そうしたなかで目が向くのは国内外景気の悪化や為替変動リスクとは無縁の企業。例えば、営業範囲が国内に限定され、景気悪化をむしろプラスとできる一部のインターネット関連企業だ。楽天、カカクコムの株価が上昇を見せたが、これは「景況感の悪化によって家計のeコマースシフトが強まる」との読みが働いているため。価格比較サイトの代名詞的存在であるカカクコムの場合、これまでインターネットで商品価格の比較を行うことがなかった中高年層の閲覧が増加。それが大手家電量販店の相次ぐ同社サイトへの参加につながっている。単なる情報提供サイトから最近では利用者間のコミュニティが主役となり、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)サイトへの変化が利用者の急増につながっていることを評価する向きもある。
ミクシィの株価も急騰した。11月27日に事業戦略を発表。これまで18歳以上だった入会規約を15歳まで引き下げるという利用制限の緩和や、既存ユーザーからの招待がなくても入会できるというプラットフォームの開放でサービスを拡充するという戦略が評価された。「広告媒体としての価値向上が期待できる」という評価もあった。このミクシィの場合、同じくSNSを運営するグリーが12月17日に新規上場することも注目される。グリーは2009年6月期の経常利益58億円(前期比5.8倍)を見込む急成長企業。人気化すればミクシィにも関心が回ろう。
ネット関連以外で国内に事業特化している業種では通信。KDDIが増益決算を発表したように販売台数の減少が逆にコストの減少につながっている。年末年始商戦の行方が注目だが、株価はかなり割安水準のため注目されそうだ。(有賀勝久)
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