IT経営コーディネート 企業活性化にITCの妙手

<「IT経営」コーディネート 企業活性化にITCの妙手>39.大同機械(上)

2008/03/17 20:45

週刊BCN 2008年03月17日vol.1227掲載

売上高30億円台に向けて

 レンタル業を中心とした建設仮設資機材の総合商社である大同機械は、3年ほど前からITコーディネータとの二人三脚による経営革新に挑戦している。現段階は道半ばというところで、プロジェクト開始から5年後には20億円、10年後には30億円という売上目標に向けて着々と改革を進めている。

 新経営体制に対応するITシステムのイメージは、本社業務システムと自社在庫管理を連動させただけでなく、得意先や仕入先を含めた受発注のコラボレーション統合システムを構築。例えば工事現場から発注される見積依頼を入力すれば、各システムに必要な情報が自動的に流れるという仕組みだ。システム導入の経緯について大同機械の落合康全・代表取締役は、「当社のビジネスは、特定時期だけ管理業務の忙しくなるケースが多い。システムを導入する前は手書き作業で、しかも転記作業が多かったため、手間がかかっていた。何とか解決できないかと思い、導入を決断した」と語る。

 大同機械の統合システム導入プロジェクトをコーディネートしているのは、マネジメントコンサルタンツの小林勇治・流通システム担当代表取締役。ITコーディネータに加え、中小企業診断士や認定事業再生士(CTP)などの資格を持つ。企業が大きな危機に直面した際、立て直しに活躍するコンサルタントの1人だ。

 両者の出会いは商工会議所開催のセミナーだった。大同機械が参加した際に、演壇に立っていたのが小林氏。講演内容は、経営革新を中心にしながらも、どのようなITシステムを導入するのが最適かといったことにまで触れられていた。落合代表取締役は、「この人に依頼すれば何とかしてくれる」と確信し、講演後すぐ小林氏にシステム導入のコーディネートを打診した。小林氏は、「落合代表取締役の話を聞き、可能性ある会社と感じた。ぜひ、協力したいと考えた」と当時を振り返る。両者の意見が一致し、このプロジェクトが始まったのだ。

 小林氏には「ITシステムの導入がメインではない。あくまでも経営革新を行うためのツールとしてITシステムがあるのだ」との考えがある。そのためじっくりと時間をかけて対象企業の現状を分析し、経営改革の計画を立案していく。これが「ミーコッシュ」という小林氏独自の理論の基礎となるのだ。ミーコッシュは、成果を上げるための要素として、「マインドウェア」「ヒューマンウェア」「コミュニケーションウェア」「ソフトウェア」「ハードウェア」の5つの視点をバランスよく成長させることの必要性を説いたもの。大同機械は、この「ミーコッシュ」を活用して経営革新することとなる。

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