IT Stock Frontline
ヤフー買収提案でネット関連が人気
2008/03/03 16:04
週刊BCN 2008年03月03日vol.1225掲載
ソフトバンクにも影響及ぶ?
マイクロソフトによる米ヤフー買収提案は株式市場に大きな刺激を与えた。米ヤフーの株価はマイクロソフトの買収提案価格にサヤ寄せして1日で40%も上昇。米ヤフーが買収提案を拒否したことで、その経営権を巡る争いは長期化する可能性が出ているが、東京市場でも米ヤフーが株式の33%を持つ日本のヤフーが急騰したほかネット関連株が幅広く買われ、市場のカンフル剤となった。人気の中心となったのがソフトバンク。日本のヤフー株式の41%、米ヤフー株式の4%を保有。中国のアリババグループは持ち分適用会社だ。2月上旬の決算発表の席で孫正義社長は買収問題について明言を避けたが、「買収提案は米ヤフーにとって重要な転換点。アドバイスしていく」と語った。
あらゆる可能性を読んでしまうのが株式市場。「ソフトバンクが買収対象になる」との大胆観測も。アジア地域でのシェア争いが焦点となれば、ヤフー、中国のアリババ株を保有するソフトバンクはマイクロソフトとグーグルの双方にとって無視できない。買収・提携に敗れた側がソフトバンクを買収する可能性があるというわけだ。
ソフトバンクが発表した2007年4-12月期決算はネット事業の好調で営業利益は2600億円(前年同期比32%増)と大幅な増益。また、今年1月の携帯電話の純増数は9か月連続で首位をキープするなど好材料が揃ったことも株価にプラスとなった。
ほかに株価が上昇した企業では、サイバーエージェント、オプト、サイバー・コミュニケーションズなどネット広告関連が目立つ。とくにダブルクリックが人気。グーグルが昨年4月、米ダブルクリック買収で合意。グーグルはバナー広告ビジネスを強化する方針を打ち出している。米ダブルクリックの広告配信技術「ダート」を独占的に国内販売できるのがダブルクリックだ。(有賀勝久)
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