1兆円達成に向け走り出す

村瀬治男 社長

　「利益ある成長」の基本路線を掲げて2006年にスタートした5か年計画「長期経営構想」のもと、連結グループ全体としてほぼ所期の狙い通りの成果をあげられた。08年の重点項目は、第1にITソリューション事業の育成。競争が激化するITサービス産業界で、然るべき地位と存在感を持って成長していくには、事業規模3000億円への到達が一つの尺度となる。この早期実現を目指す「ITS3000計画」の具体化に注力する。

　まず1月1日付で、従来のビジネスソリューションカンパニーから「ITSカンパニー」を分離独立して事業体制を拡充。4月1日付では、グループ企業のアルゴ21とキヤノンシステムソリューションズを経営統合して新会社「キヤノンITソリューションズ」が発足。ITSカンパニーが連結グループのITソリューション事業の“扇の要”を担い、この新会社はキヤノンソフトウェアとともに、その中核となる。

　第二に、「顧客満足度No・1」の早期実現を目指し、サービスサポート事業の改革とサービス品質の向上を進める。07年に実施したビジネスソリューション分野のサービス組織の拡充強化策をさらに発展させるほか、デジタル社会にふさわしいサービス体制の構築や顧客接点の改革を一段と加速する。

　08年は前身の旧キヤノン事務機販売、キヤノン事務機サービスの発足から40年。卸売業からスタートし、近年はもっと顧客に近づく情報サービス企業としての飛躍を目指している。この節目を新たな事業モデル創造の出発点としたい。

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