年頭所感
【2008年 年頭所感】 インテックホールディングス
2008/01/21 20:37
週刊BCN 2008年01月21日vol.1219掲載
疾風に勁草を知る
中尾哲雄 会長兼社長
情報サービス業界は、基幹産業としての体をようやくなしてきた。経済規模約19兆円、およそ1万6000社で構成される。しかし、成熟の度合いは、戦後まもない製造業と同じ。当時は電球をつくる会社が何百社とあり、自動車メーカーも何十社とあったが、発展とともに猛烈な勢いで再編が進んだ。
周囲を見渡せばIBMをはじめとする世界の大手が勢力を伸ばし、一方で中国・インドの新興勢力が浮上。後者に至っては成長著しく、優秀な人材も多い。当社程度のSIerならすぐに追い越されてしまう。IT投資が一旦踊り場にさしかかれば、国内情報サービス産業の再編は避けて通れないだろう。
再編の嵐を疾風にたとえるなら、当社は強い風にもなぎ倒されない強い草=勁草(けいそう)になる。そのために今年4月、TISと経営統合し、業界トップグループ入りを目指すことを決めた。
この業界もすでに再編への機運が高まりつつある。製造業がそうであったように、誰かがきっかけをつくったら一気に動き出す。情報サービス産業をさらに発展させ、より強くしていくためにも自ら率先して動く。今は「3K」だといわれることのほうが多い職場だが、強い産業に生まれ変われば、そこに魅力を感じてくれる若者も増えるはず。
勁草かどうかは疾風が吹かないと分からない。企業も人も同じで、調子よくいっているときはなかなか見えてこないものだ。困難に対峙してはじめて強さが分かる。
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