次世代Key Projectの曙光
<次世代Key Projectの曙光>38.アイエックス・ナレッジ(下)
2008/01/14 20:40
週刊BCN 2008年01月14日vol.1218掲載
スポーツに絞って横展開
アイエックス・ナレッジ(安藤文男社長)は、スポーツに的を絞った、携帯向けコンテンツマネジメントシステム(CMS)「携帯サイトリアルタイム更新システムforスポーツコンテンツ」を開発、販売を開始した。大手キャリアのコンサルティングに入り、蓄積したノウハウをもとに、ヒトに依存しているSIとは違うビジネスを立ち上げるのが目的だ。CMS事業は、若手を中心とした人材教育の一環でもあるという。同社は2年前、携帯でできる初級システムアドミニストレータのe-ラーニングサービス「おきらく☆ラーニング」を開発し、携帯コンテンツビジネスに参入した。プロジェクトリーダーの米村英史氏は、「e─ラーニングは机上で行うのが本来の形ではない。移動中にどこでも勉強できるのがe-ラーニングの特色だ」と断言する。
2005年11月には「おきらく☆ラーニング」でのノウハウを元に、出版社のスキージャーナルと協業し、滑り方をゲレンデで学習できるほか、大会情報、記録速報やブログなどのコンテンツを掲載している「スキージャーナルモバイル」を立ち上げた。当初、携帯コンテンツシステムの売り込みを出版社を中心に行ったが、なかなかアポイントが取れないなど苦労も多かった。そんななかスキージャーナルが、新しいメディアとして、ビジネスになるかを試してみたいと名乗りをあげ、導入につながった。
05年3月、試験的に全日本スキー技術選手権大会の情報を掲載したところ、非常に大きな反響があった。現在、スキージャーナルモバイルは、オフシーズンでもユーザー数が大きく減ることなく、上級者を中心に5000人の会員を獲得している。今後は、スキーのコアなユーザーが中心のサイトながらも、旅館やホテル、リフトの割引など、周辺情報を充実させていきたいと考えている。
そして昨年12月、スキージャーナルのシステムを横展開すべく、「携帯サイトリアルタイム更新システムforスポーツコンテンツ」の販売を開始した。スポーツに的を絞って客先にあたっているものの、開始して間もなく前例がないことなどを理由にまだ受注に結びつけることには苦心しているのが実情だ。ただ、「これまで雑誌は一方通行のメディアだったが、埋もれてしまっていた読者やユーザーの情報を生かせる双方向の新しいメディアとして携帯サイトがある」と米村氏は考えている。
今後の展開として、同CMSで100本の販売を目指している。(鍋島蓉子●取材/文)
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