次世代Key Projectの曙光
<次世代Key Projectの曙光>37.アイエックス・ナレッジ(上)
2008/01/07 20:40
週刊BCN 2008年01月07日vol.1217掲載
ノウハウ生かしCMS参入
アイエックス・ナレッジ(安藤文男社長)は、専門誌スキージャーナルと協業して開設した「スキージャーナルモバイル」の管理システムの横展開に向けて、スポーツに的を絞った携帯電話向けコンテンツマネジメントシステム「携帯サイトリアルタイム更新システムforスポーツコンテンツ」を開発、販売を開始した。同社は大手キャリアにコンサルティングに入り、そこで培ったノウハウを携帯電話のコンテンツビジネスにつなげようと考えた。「SIはヒトに依存している。SIとは違うビジネスを創出したかった」と岩田好廣・第3事業部モバイルビジネスユニット統括マネージャーは話す。
ビジネスとしての側面もあるが、一方で新しいビジネスを20代の若手社員だけに任せたいという社長の思いがあった。最近はITベンダーのなかで「提案できない」ということが問題になっている。「こうしたビジネスを立ち上げて、提案していくのも人材育成教育の一環」と捉えている。
現在、携帯情報端末でインターネットにアクセスする利用者は7000万人、PCと携帯の両方を使ってネットにアクセスする利用者は6000万人いるといわれている。
一方で、これまではPCからの情報配信は行っていても、携帯サイトに対する知識がなく、立ち上げていない企業が多かった。「それまでは公式サイトが主流。URLを入力すれば、いわゆる『勝手サイト』にアクセスできたが、キャリアが推奨していなかった」(第3事業部コンサルティンググループの米村英史氏)。
だが、グーグル、ヤフーなどの検索エンジンが導入されたことにより、「勝手サイトに容易にアクセスできるようになり、今では勝手サイトのほうが、はるかにアクセス数が多い」(同氏)という。情報取得の手段がPCから携帯へと広がるなかで企業のニーズを獲得すべく、携帯コンテンツマネジメントシステム(CMS)に取り組み始めた。
当初は事業部横断のプロジェクトで3人でスタートした。「コンテンツ関連事業は後発だった。どのような形で差別化するかという課題もあった」と米村氏は話す。
だが、実際にCMSを多数出展している展示会を視察したところ、各社とも揃って差別化点を見出せないことが分かった。それならば「当社の強みとなるSIで培った技術力を生かし『こういう分野で、こういうことができる』といった提案をしていくことに活路が見いだせると考えた」。(鍋島蓉子●取材/文)
- 1